私は宝飾品や装身具の製作を生業としながら必要でさえあれば什器を作り内装工事を行い、同じく必然的な行為として多様な形態の作品を作る。

 

過去の自分を鑑みると、さまざまなものを嫌っているふりをし「できない」を「やらない」に掏り替え作家性を捏造しながら狭い枠内に閉じこもっていたような心当たりも多分にあるが、そのような逃げ場としての作家像と決別し技術を獲得するための試行錯誤を重ね、手に馴染み始めさえしたなら思いのほか好きになってしまうのだなと自分のいい加減さを思い知り近頃は随分と肩の力が抜けた。

目下、恐らく捏造されただけの分野間の隔たりが其処彼処にさも在るかのように感じられもするが、それぞれの領域の市場や仕草の差異は認めつつ、根源的に揺るがしようのない隔たりなどは存在しないということを横断的で多角的な表現形式を以って体現したいと思う。

2016年11月1日

増﨑 啓起